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Zaraはどのようにして世界最大のファッション小売企業になったのか

ファッション業界の記事をUpします。

記事を書いたのはスージー・ハンセン(Suzy Hansen)さんです。元記事はここにあります。

ファースト・ファッション企業Zaraの記事です。

~~ここから~~

如何にしてZaraは世界最大のファッション小売企業になったのか

スペイン北部、大西洋岸のガリシア(Galicia)はジェネラリッシモ・フランシスコ・フランコ(Generalissimo Francisco Franco:かつてのスペインの独裁者)の故郷だ。しかしそれ以外では人口が流出する事で有名な土地だ。20世紀の殆どの期間、数百千万のガレゴーズ(gallegos:ここの人々はそう呼ばれている)がガリシアの辺鄙な貧困から逃れて、はるか彼方のアルゼンチンを含む、多くの国へと移民して行った。しかしながら今日、スペイン経済が破局の淵で揺れる中、ガリシアの都市ラ・コルーナ(La Coruna)は、激しい成功を収めるファッション・カンパニー、インディテックス(Inditex)、あるいは同社の一番古く最大のブランドZaraとして一般に知られている会社の設立者、アマンシオ・オルテガ・ガオナ(Amancio Ortega Gaona)の故郷として注目を集めている。彼は、今年ブルームバーグ誌の富豪番付でウォーレン・バフェット(Warren Buffett)を抜いて世界第3位の富豪になった人物だ。

同社の広報部門によればオルテガがインタビューに応じた事は無い。授賞式とかパーティーに出席した事すら無い。写真を撮るのを許す事も滅多に無い。去年76歳に成ったオルテガがチェアマンに引いた時、後を継いだパブロ・イスラ(Pablo Isla)も殆どインタビューに応じる事も、カメラに手を振る事もしない。実際のところインディテックスの表の顔は穏やかな口調の広報部長イエズス・エシェヴァリア(Jesus Echevarria)だ。私が最近インディテックスの複合施設を訪問中に発見したのは、彼がおそらく同社の、地球上で唯一の広報部長であり、インディテックスの圧倒的勝利に関する質問に答えを強いられた時、何時も謝る事しかしない人物だと言う事だ。

同社の表面上の慎ましさは、同社を取り巻く環境を反映している。ラ・コルーナは静かな場所だ。単調さの極地である典型的なヨーロッパの都市。整備されたハイウェイ、コンパクトな自動車、清潔なタクシー、チップを気にする必要も無い場所。6月末に私が訪ねたとき、保守派の政府は新たな緊縮策の導入を検討中で、スペインの30歳以下の失業率は50%を越えていたが、街は静かなものだった。レストランは混雑していて海岸は人で溢れている。飼い犬が水に飛び込んでいる間、人々は海岸の岩場でうたた寝をしていた。この街はマドリードから300マイル以上離れていて、バルセロナからは555マイル離れている。インディテックスのような活動的グローバル・カンパニーの所在地としては奇妙な場所だ。

会社の敷地(ラ・コルーナに隣接する工業地帯、アルテイゾ(Alteixo)の中にある敷地)は、全企業の本部と、インディテックスの8つのブランドの内2つ、ZaraおよびZara Homeの本部で構成されている。そこには工場群と配送センターも存在し、世界中に発送される衣類がトラックに積み込まれていた。工場群はオフィス・ビルに隣接している。私が待たされていた本部棟は、なんとなく病院の待合室に似ていた。四角く質素な黒い椅子が並んでいる他は殆ど何も無い場所だ。ファッションモデルのポスターが一枚張ってある他、白壁には何も飾って無い。花も無ければ標語も無く、宣伝もファッション雑誌もスタイル雑誌も無かった。インディテックスはスペイン国内で現実に成長している会社の1つではあるが、そのセッティングは耐乏の時代である現在に適切なものに感じられた。

インディテックスは「ファースト・ファッション」会社の中でもパイオニア的存在だ。ファースト・ファッションは本質的に、最新のファッションを真似た廉価版を素早く店に並べる企業群を意味している。インディテックスの全てのブランド、Zara、Zara Home、Bershka(ベルシュカ)、Massimo Dutti(マッシモドウッティ)、Oysho(オイショ)、Stradivarius(ストラディヴァリウス)、Pull&Bear(プルアンドベア)、Uterque(ウテルケ)はZaraのテンプレートをなぞっている。トレンディーでまあまあの作りだが割安な製品を、美しくハイエンドな外見の店舗で売っている。Zaraの値段はGapと同じ程度だ。コートが200ドル、セーターが70ドル、Tシャツが30ドル。

インディテックスは今、年間8億4千万着の衣服を作り、85カ国にまたがる5,900店舗を持っている。しかしこの数値は常に変動している。何故ならインディテックスは最近1日当たり一軒以上、年間にして500軒のペースで店舗をオープンしているからだ。今現在、ヨーロッパには4,400店舗、スペインだけで2,000店舗ある。インディテックスの主要なライバル達は遥か後方だ。Topshopで有名なArcadia Groupは世界全体で3,000店舗、スウェーデンを本拠とするH&Mは2,500店舗(小規模店舗を含んでの数)、そしてスペインを本拠とするMangoは2,400だ。

インディテックスのカンファレンス・ルームでエシェヴァリアは私に、会社に関するマルチメディア・プレゼンテーションを見せてくれた。各国に点在する店舗の数がスクリーンに浮かび上がる、その中には中国の289店舗と合衆国の45店舗が含まれている。私達が会合した7月末以降、インディテックスは中国で350店舗に達し、合衆国でももう1つオープンしている。同社の発展は季節の移り変わりと同じ様に避けがたいものであるようだ。しかしインディテックスは果たして拡大を続けてゆけるのか?

「私達が店舗を開くとあらゆる人が訊いてきます。『いったいどれくらい開くつもりなんですか?』ってね。」彼は言った。「正直言って、私も知りません。それは顧客と需要に依存しているんです。私達は顧客と会話せねばならず、顧客から学ばねばならない。この商品を買うべきだと私達から言う事はありません。それを言うのは顧客なのです。」

インディテックスの創業は1963年に遡る。その年、鉄道員の息子であるオルテガは、ラ・コルーナで女性用部屋着やローブを作る商売を始めた。1975年に彼は街で自分の店舗を開いた。彼はその店をZorbaと名付ける。1964年の映画、「その男ゾルバ(Zorba the Greek)」から取ったものだ。

「私が思うに彼は歴史を作ろうだなんて思ってなかったでしょう。単に良い名前だから付けただけだと思いますよ。」エシェヴァリアは言った。「しかし、2ブロック離れた場所にZorbaと呼ばれていたバーが既にあったんですよ。そこの持ち主が来て言ったんです。『2つもZorbaがあるなんて間違え易いじゃないか』ってね。もう既にその名前で手紙のひな形とかも作っていたものだから、彼はちょっとした変更で済まそうとしたんですね。それでZaraと言う名前を見つけてきたんです。」親会社となるインディテックスは1985年に創設された。

オルテガは自分の工場をラ・コルーナに留め置きたかった。だから彼のビジネスモデルは当初から普通と異なっている。西洋の伝統では、既製服を作るファッション・カンパニーは自分たちの衣服のデザインを賃金の安い中国とかインドとかの独立した工場へ送る。完成した衣服は春とか秋に送り返されて店舗に保管される。年間を通した輸送量は少数だ。

しかしインディテックスのブランドでは、例えば秋物コレクションを作ったら、ドレスとかシャツとかジャケットのそれぞれについて3~4種類しか店舗へ送付しない。在庫はとても少なく、僅かなEXSサイズとかMサイズが置いてあるだけだ。しかし店長は、需要があればもっと送るように要求できる。彼らはさらに、顧客が何を買い何を買わなかったか、そして店員に何を喋ったかを元に、顧客の反応をモニターしている。「この丸く深い襟ぐりは好きだわ」とか「踝のジッパーは嫌いよ」とか言った言葉をモニターするのだ。インディテックスの話によれば、そういった会話を引き出すように店員を訓練していると言う。毎日、店長は本社にこの種の情報を報告する。本社ではこれらの情報を大量の社内デザイナーへ通達する。デザイナーは新たなデザインを素早く開発し、工場に送って衣服にする。

インディテックスの製造工程の半分以上が自社の工場か、本部近くにある工場で行われている。即ち、ヨーロッパかアフリカ北部の工場だ。インディテックスはスペインに工場を保有しており、その他、製品のアウトソースを、ポルトガル、モロッコ、トルコの工場に依頼している。主に労働市場のコストを考慮した結果だ。その他の衣服は、中国、バングラディシュ、ベトナム、ブラジル、その他の国で作られている。しかしながら、最もトレンディーなものは、本社に最も近い工場で作られる。その結果、製造プロセス全体を、そのスタートから完了まで、僅か2~3週間で完了させる事が出来る。インディテックスの高い労働コストはその柔軟性、特別な商品目録を持たずに早い回転速度を保つ事で相殺されるのだ。

それが意味しているのは、もし顧客が、インディテックスのロンドンとか東京とかサン・パウロの店舗で、例えばスパンコールのついたクランベリー色のホットパンツに熱狂したとすると、インディテックスはそれと同じか、そのバリエーションのホットパンツ、スパンコール付とかクランベリー色のやつとかを、3週間で店舗へ提供出来ると言う事だ。同社は常に在庫を新鮮に保とうとしている。同社の店舗が約束するのは、何かほぼユニークな商品を顧客は常に買うことが出来ると言うものだ。同社の商品は、ファースト・ファッションの標準に照らしても驚くほど素早く変動する。何千というインディテックスの店舗は全て、週に2回新たな衣服を受け取る。

このようなやり方で、インディテックスは消費者の行動を完全に変えてしまったと、文化やファッションに関するロンドンの雑誌、Tankの編集者、マスード・ゴルソーキ(Masoud Golsorkhi)は言う。

「グッチやシャネルの店に10月に行ったとしましょう。そこに並べられている服は2月になってもまだ買えるチャンスは高いでしょう。」彼は言う。「でもZaraでは、もしその時その場で買わなかったら、11日もしたら全ての商品は代わってしまうのです。今買うか、二度と買えないかです。そして値段が安いものだから、今買ってしまうのです。」

インディテックスは自らの成功を広告に頼っていない。何故ってインディテックスは広告をしていないのだ。同社はマーケティング部門さえ殆ど持っていない。競合他社のような派手なキャンペーンを打つ事も無い。有名なデザイナー、ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)とか、カール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)とか、マーティン・マルジェラ(Martin Margiela)とかとタイアップする事も無い。Zaraのデザイナーは完璧に匿名だ。何人かの人間に言わせると、その理由は彼らがデザイナーではなくコピーをしているだけだからだと言う。

インディテックスが行うマーケティングは殆どが不動産に関するものだ。同社はその店舗の美しさ、歴史的魅力、そして場所に対して、大金を投資している。

「目抜き通りは実際にブランドの価値によって分けられているんです。」ファッション・ブランドのコンサルタントでもあるゴルソーキは言う。「プラダはグッチの隣を好み、グッチはプラダの隣が好きなんです。高級ブランドの小売戦略は、Zaraのような存在から出来るだけ遠くに離れる事なんです。Zaraの戦略は、彼らに出来るだけ近づく事です。」

例えば、私が住むイスタンブールでは、ZaraとUterque(ウテルケ)、それにMassimo Dutti(マッシモ・ドゥッティ)は、同じテスヴィキエ・カッデシ(Tesvikiye Caddesi)通り、お洒落で混雑した大通りに存在する。それらは、カルティエやヘルメスやシャネルと、通り一つしか離れていない。しかしインディテックスは価値の高い土地を探す段になると、さらに大胆だ。2003年にインディテックスは、サラマンカにある18世紀の修道院サン・アントニオ・エル・リアル(San Antonio el Real)、及び、同じ様にスペイン内のエルチェ(Elche)にある歴史的シネマの中にZaraを作った。同社は特別な建築物が好きなのだ。去年、同社は3億2千4百万ドル支払ってニューヨーク五番街666にスペースを購入した。同社によれば、そこはマンハッタンで過去に売却された建物の内でも最も高価で知られていると言う。

「ニューヨークでは、オープンを知らせる1ページ広告をニューヨーク・タイムズに出しただけです。」エシェヴァリアは言う。「しかしあれはキャンペーンとは言えません。あれは公表であり、ただの情報提供です。この会社は自分の事をあまり語りません。私達の考えでは、私達について話してくれるのは顧客なのです。その店がどんなに良くなるか売り込もうとはしません。もし良い店であれば、顧客がそう言ってくれるでしょう。」

過去5年間に、インディテックス全体の売り上げは、年間94億ユーロから1380億ユーロに膨れ上がった。利益は年間約20億ユーロに上昇している。同社の従業員数は2007年の80,000人から110,000人へと増えた。短くまとめると、スペインが世界的金融危機の後、不動産価格下落や債務危機に悩まされている中、インディテックスは繁栄している。エシェヴァリアに言わせればその理由は、顧客がいつも製品を判断しているからであり、それ以外には無いと言う。同社が作る全ての衣類は、ある意味、いつも求められている物だ。かくも緊密に顧客に調節されたビジネスモデルは金融危機のサイクルとは同調しない。

ファースト・ファッションは又、近年ヒップなものに成ってきている。ケイト・ミドルトン(Kate Middleton)のような有名人でさえZaraを着て写真に納まっている。「これは小売業界が通常進む道ですよ。Zaraだけではありません。」ロンドンを拠点とするコンサルティング会社、プラネット・リテイル(Planet Retail)のシニア・アナリスト、イザベル・ケイヴィル(Isabel Cavill)は言う。「500ポンドに見える物を50ポンドで手に入れたら少しは自慢できるでしょう。」もし着ている物を多くの人に誉められたら、それを格安で手に入れたんだと自慢できる。

H&MやMangoも次第にZaraと競うように成ってきている。しかしインディテックスの影響は格安なファースト・ファッションだけに留まらない。同社は人々がお金を使うときの流儀の変更を強いている、あるいは鼓舞している、どちらの見方を取るかは人によって異なる。Zaraにおいては買い物は全ては衝動買いだ。ショー・ウィンドウに飾られた豪華な革のジャケットを買うためにお金を貯めるような人はここにはいない。顧客が衣服を買う時、別にその衣服を愛しているから買っているのでは無い。むしろ、このホットパンツが50ドルなら、2人分の日曜のブランチ代と大して変わらないからだ。そして数日経つとそのホットパンツは何処かへ行ってしまう。この消費傾向は買い手をして、ごく最新のトレンドを期待するように強いる。

それは、種々のハイエンド・レーベルでも同様だ。

「彼らは1世紀以上続いた年2回というファッションのサイクルを破壊しました。」ゴルソーキは言う。「今では、ハイエンド・ファッション・カンパニーの半分以上、」例えばプラダやルイ・ヴィトンとかが、「毎年2つでは無く4つから6つのコレクションを作っています。その理由は正にZaraの為です。」

インディテックスのブランドはファッションの時空としては、目まいのするような時間軸に存在している。そこでは最新のトレンドが、1人の女性に買われた数時間後に直ぐ萎れ始めるのだ。インディテックスの敷地案内を引き継いだ広報担当の女性、おそらくは控えめを好むインディテックスのルールに従って匿名を希望した女性は、踝にジッパーのついた艶のある黒いパンツを履いて、ゆったりとした黄色のブラウスに、逆Vの字の切れ込みが背中にある黒のブレザーを着ていた。彼女はまるでペン・ナイフのように鋭く輝いていた。私が着ていたのは少なくとも6年は経っている衣服だった。つまり私はファースト・ファッション・ツアーにプードル・スカートで来たわけなのだ。

Zara本社は巨大な飛行機格納庫ぐらいのオープン・スペースだった。各地域のセールス・マネージャーが中央の1列に並ぶデスクに座っていて、その両側にはデザイナーがいる。マネージャー達は中国とかチリとかからの電話に対応して、何が売れているのかを知る。その後、デザイナー達と話し合い、それがトレンドかどうか判断する。このようにしてインディテックスは世界のファッション界の鼓動を感じ取っている。「例えばマネージャーがこう言ったとします。『私の顧客が赤いズボンを求めている』、そして同じ要求がイスタンブールやニューヨークや東京から来たとすれば、それは全世界的トレンドを意味します。それで赤いパンツをもっと作らねばならないと知るのです。」広報担当者はそう言った。

私は、トルコでファッショナブルな物がニューヨークでは違ったり、その逆があったりと言う事を知るのは、きっと面白いでしょうと言った。私の想像では国が違えば好みも違うはずだった。少なくともファッションにおいては。しかし私は間違っていた。

「実際のところ、顧客はニューヨークでもイスタンブールでも大なり小なり同じです。」彼女は言った。「例えばブラジルの女の子たちが鮮やかな色を好み、パリでは黒が多いものが好かれると言った違いはあります。しかし一般的に言ってファッションのトレンドが見つかった時、それはグローバルなんです。」

その前にエシェヴァリアは、国の違いよりも隣り合った環境の違いの方がトレンドを共有する場合が多いと私に言った。例えば、ニューヨーク・ミッドタウン5番街の店は、「東京の銀座の店と良く似ています。そこも又、旅行者が良く行くエレガントな地域です」と彼は言った。「そしてSoHoの店は渋谷の店に近いです。とてもトレンディーで若々しい場所です。ブルックリンは今、激しくトレンディーな場所です。一方ミッドタウンは...そうですね、ニューヨーク在住者は実際に今、5番街ではあまり買い物をしません。」そこで買い物をするのは郊外からの旅行者ですと、彼は言った。

私は少し前にブルックリンへ旅行した後、イスタンブールで最もヒップな場所へ戻った時の事を思い返した。トルコ人は皆、同じ様に大きなスカーフを首の周りに8回も巻きつけていた。私はスタイルが如何に早く地球を伝わって行くかに驚いた。トルコ人が大勢ファッション雑誌を読んでいるところなんて私は見たことが無かった。しかし、どのような物を着るか教えてくれるのは雑誌だけでは無いのだ。オルテガのような人間も教えてくれる。あるいは、もっと正確に言えば、私達は互いに教えあっている。インディテックスとか別の同じ様な店を通して。

見学中、私はZaraやZara Homeの擬似店舗も訪れた。それらは本社の中に作られている。世界中に紹介されるのを待つ秋物コレクションが店頭に並べられていた。

そこにはたくさんの、金色の輝く鋲、ミリタリー・カラー、ドクロマーク、白いレースのシャツ、そしてアニマル・プリントが並べられていた。スポークスウーマンは、これらは「前シーズンからトレンディーだった物です。もう少し続くでしょう。でもそれもクリスマスまでですね」と言った。トレンドは半年は持つと言う。しかし幾つかは1ヶ月で終る。「アニマル・プリントは夏で終わると思われていました。でもまだ続いているんです。」彼女は言った。「季節の初めに私達は蛍光色の物を持っていました。4月から5月にかけてトレンドだったんです。とても良く売れたんですけど、そこまででしたね。」

私達はZara Homeにも立ち寄った。Zara Homeの代表者の話では、衣服の店舗と同じ様に運営されていると言う(10月に同社はZarahome.comを、高級衣服ブランドのMassimo Dutti と同時に、合衆国で導入した)。私は、人々がミニスカートと同じようにしてお皿とか絨毯とかを取り替えるかどうか疑っていた。しかし彼女は、皆がそうすると確約した。特にそれがトレンディーであれば(私は再度、ドクロマークのパターンを見つけた)。そして次にZara Kidsに行った。安価な衣服の洪水は、お下がりのベビー服を使う習慣に終わりをもたらすかも知れない事に気が付いた。新しい物を(そしてトレンディーな物を)25ドルで手に入れられるのに、何故、他人のシミの付いた物を使う必要があるのだろう?

「子供服のトレンドも大人用の物と変わりません。」スポークスウーマンはそう言った。

私はジャケットを見た。「そうすると、このシャネルみたいな分厚いのは、全ての人のスタイルと言うわけですね。」

彼女は肯いた。

「ドクロマークも同じく子供向けと言うわけなんだ。ふーん」

インディテックスは他のデザイナーのコピーをしていると言う非難を否定する。それでも3月のニューヨーク・タイムズ紙上でアレクサンドラ・ジェイコブズ(Alexandra Jacobs)がニューヨーク5番街のZaraの訪問記事を載せた時、プラダやアレクサンダーワンやバルマン(Balmain)、その他多くの高級ブランドを連想させられたと書いている。クリスチャンルブタン(Christian Louboutin)は、同社を代表するレッド・ソール・シューズを売った事でインディテックスを訴えたが、敗訴した。その理由は主に、インディテックスが著作権法を避けるに充分な程度の変更をデザインに加える事に注意しているからに他ならない。

「高級ブランドにとって、こういったものはコピーキャットなんです。ファッションの幹から栄養を吸い取って成長するキノコのようなものですね。」ゴルソーキは言った。「私自身も以前は同じ様に思っていました。しかし今ではその考えを捨てています。何故なら、ファッション・カンパニーは皆、同じ様にお互いコピーし合っているからです。最終的には誰もオリジナルとは言えません。」

H&Mは同じ様に頻繁に新しい製品を出荷し、トレンドを追いかけている。しかしH&Mと言えども、有名ファッション・デザイナーのオリジナル・コレクションも提供している。インディテックスはそうする必要が無い事を発見してしまったのだ。

「彼らはプロセス・イノベーションをとても上手くやってのけたんだ。」インディテックス・モデルを研究するコロンビア・ビジネス・スクールの教授、ネルソン・フレイマン(Nelson Fraiman)は言う。「プロダクト・イノベーションだって?違うさ。だが、中国の企業でプロダクト・イノベーションを上手くやった会社があったら教えてくれないか。彼らはプロセスに優れているんだ。私の考えでは、プロセス・イノベーションにも賛辞を送るべきだと思うね。」

しかしながら拡大路線はZaraのプロセスに脅威をもたらす。ヨーロッパの工場とロジスティックス・センターから、遠くはなれた場所に店舗を置く事になるからだ。エシェヴァリアの話では、同社は新しい店舗を開く都市を極めて慎重に選んでいると言う。他の国には数百の店舗がある一方、合衆国には45店舗しか無かったスライドを覚えているだろうか?それには理由がある。外国ブランドは合衆国で惨めな歴史を持っている。

「合衆国はヨーロッパの小売業者の墓場です。」マドリードのI.E.S.E.ビジネス・スクールでマーケッティングの教授を務めるホセ・ルイス・ヌエノ(Jose Luis Nueno)は言う。「合衆国へ進出した企業は皆、苦戦しています。ローラ・アシュレイは撤退しました。ベネトンでさえ数を減らしています。合衆国は本当に複雑なのです。何故ならあそこに行くと言う事は、何の変哲も無い土地の真中に作られたショッピング・モールに店舗を開く事を意味しているからです。ファッションに気を使う人は東海岸と西海岸に住んでいますが、それ以外の全ての人は、GapとかウォルマートとかT.J.Maxxを着ているんです。もし合衆国を本当にカバーしたいと望むなら300軒の店舗を開いて、それが上手く行くようにあらゆるエネルギーを注ぐ必要があります。」

そしてまた、デリケートな要素としてサイズがある。

「合衆国で店舗を拡大したいと思いますか?」フレイマンは尋ねる。「私にとってZaraはヨーロッパ人のスタイルに合わせたヨーロッパの店舗です。ファッションを前面に出した店なのです。アメリカの何が問題なのでしょうか?彼らにはサイズが合わないのです。では何故合わせないのかって?大きなサイズを作ろうとすると、製造工程はかなり複雑になるんです。」

しかしながら中国での拡大は、やはり製造工程を複雑にし、大規模な投資を必要としている。同社は今年、400軒を越える店舗のオープンを計画している。「週に3店舗のオープンでさえ、とても過激なものです。」フレイマンは言う。「ラ・コルーナの工場が素早く反応する能力には限界にあります。店舗をさらにオープンし続ければ、最後の一分にかける柔軟性は失われます。中国で大きな前進をしようする時、何が起きるかと言うと、全部のモデルを持ち込まなければならなくなるんです。」顧客の反応に答える部門、素早い方向転換をするデザイン・チーム、ロジスティックスのプラットホーム、「それを全て中国で再現しなければなりません。」しかしインディテックスが拡大するに連れ、品質や効率に対するコントロールは失われて行くと、彼は言う。

それでもアジアの市場はインディテックスにとって中心であり続ける。そして10億人を越える中国人がファースト・ファッションを消費すると言う予測は、ビジネスモデル批評家の心配を退ける。「Overdressed:The Shockingly High Cost of Cheap Fashion(着飾り過ぎ:安価なファッションの驚くべき高コスト)」の著者、エリザベス・クライン(Elizabeth Cline)によれば、アメリカ人は年間200億ドル衣服に消費している。一人当たり64着だ。中国人が同じ割合で消費すれば、それは年間800億着以上になる。ゴルソーキの話では、ファースト・ファッションでも衣服を作るのに必要な労働力とか、製造工程で出る廃棄物とかは変わらないと言う。新しい蛍光色のミニスカートは40ドルしかしないかも知れない。しかし、それを作る為にバングラディシュの労働者は、依然として劣悪な環境下、低い賃金で働いている。インディテックスの話では、同社は組合や、その他の組織と共に働き、「最高の敬意に値するサプライチェーンを持ち」、毎年全てのパートナーを評価していると言う。しかし、自分たちの衣服の製造をアウトソースする殆どの主要ファッション・カンパニーと同様、同社も工場のコンディションについて相応な不満の声を受け取っている。

「現実には、TシャツはTシャツであり、Tシャツなのです。」ゴルソーキは言う。「それに400ポンド払おうが1ポンド払おうが、同じ様に地球に負担をかけているのです。同じ量のダメージを与えています。Tシャツは700ガロンの水と同等であり、数ガロンの化学汚染や人的労働と同等なのです。しかしかつて私達は年間3着のTシャツで済ませていました。いまや30着必要としています。時として新しいのを買ったほうが洗濯するより安いんです。こんな事は間違っています。」

それは長い目で見てビジネスにとっても良く無い。

「最終的に、ファースト・ファッションを維持するだけのリソースはありません。したがって私の見るところ、これはとても脆弱なビジネルモデルです。」ロンドン大学のファッション・センター・フォア・サステナブル・ファッション(Fashin’s Center for Sustainable Fashin)でビジネスとリサーチのマネージャーをしているアレックス・マッキントッシュ(Alex McIntosh)は言う。「製造コストはさらに高くなるでしょう。これを続ける事は出来ないと思われます。価格指向の会社は追加コストを吸収できる余裕を持っていません。やがて彼らは再び、もっと衣服にお金を使うよう顧客を説得する必要に迫られると思います。」

私は見学の最後に、インディテックスの工場の1つを訪れた。そこには約100人の工員が居た。私は、巨大な機械が殆どの仕事をしていると言われた。明るい赤のスリークォーターレングス・コートが数百着、建物全体に吊るされていて、殆ど出荷直前に見える。アイロン台に面した女性が1列に並んでいた。彼女達はウール混入生地をならし、欠陥をチェックし、そしてスポークスウーマンが特に強調していたが、セキュリティー・タグを付けていた。もしこの仕事を店舗の従業員に任せたら、このトレンディーな赤いコートが貴方のクローゼットに届くまでに、数時間もの許容できない余計な時間がかかることをインディテックスは発見したのだと言う。

~~ここまで~~

次回更新は12月8日ごろになると思います。
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Author:ゾノシン
英語の勉強の為に、ニュースサイトの記事を読んでいるうちに、面白さにつられて翻訳してみようと言う無謀な事を始めました。大変なので更新は一週間に一回位になると思います。どこまで続けられるか解かりませんが。

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