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古代からの洗練されたエイリアン

科学関連の記事をUpします。

記事を書いたのはカール・ジンマー(Carl Zimmer)さんです。元記事はここにあります。

粘菌に関する記事です。

更新情報:Dicty researcherさんから誤訳の指摘を受けましたので謹んで修正させていただきます。以下指摘の抜粋です。

「キロタマホコリカビ」はミスで、正しくは「キイロタマホコリカビ」。また、粘菌の場合、「stalk」は「茎」ではなく、「柄(え)」と訳すのが良いと思います。「species」は「種族」というよりは、「種」と訳した方が生物学的には適していると思います。

という事で修正させていただきました。
Dicty researcherさん、御指摘ありがとうございます。

~~ここから~~

進化論の答えはスライム(粘菌)にあるのか?

ハリウッド映画に出てくる異星人は本当のところあまり異星人には見えない。映画の異星人はいつもピザくらいの大きさの目をしてゴキブリのような触覚が生えている。しかしそういった奇妙さはお馴染の人間的体型の上に被せられたものだ。

もし貴方が本当に異世界的生物に出会いたいのなら、その辺の映画館へ行くよりも近くの森へ行った方が良いかも知れない。森はとてつもなく古い生物が生息する場所だ。基本的に異様で、戸惑うほど洗練された行動ができる生物がいる。その生物こそ粘菌類である。

粘菌はアミーバの系統に連なる独特な生物で土中に生息している。その一生には、生まれながらの単細胞生物として生きる時期と、真に異星人的な形態をとる時期とが存在する。幾つかの種は数千の単位で集まって多細胞生物の形態をとり、這いまわる事さえ出来る。他にも、脈動する巨大な原形質のネットワークを形成する種も存在する。

博物学者は数世紀も前から粘菌の存在に気が付いていた。しかし、科学者が彼らを本当に理解し始めたのは最近の事である。ある種では、20,000もの個体が集まって一体のナメクジのような形を形成する。研究室で行われた実験により、それに必要な複雑な信号の存在が明らかになっている。

粘菌が作り出した脈動するネットワークは、複雑な数学的問題を解く手がかりを科学者に与えている。2000年に日本の研究者は、モジホコリ(Physarum polycephalum:意味は「多頭粘菌」)を、2個のブロック型食物と一緒に迷路の中に置いた。粘菌は迷路に沿ってその触手を伸ばし、カーブを曲がり、行き止まりについたら引き返して進んで行く。そして4時間後、粘菌は食物を2つとも手に入れたのだ。

ウェスト・イングランド大学の研究者、アンドリュー・アダマツキー(Andrew Adamatzky)は、2006年から粘菌の観察を続けている。そして粘菌の成長から啓示を受けてコンピュータ・ソフトウェアを設計した。彼は粘菌を使って電子音楽を作ったのだ。そして彼の趣味はさらに進み、今や高速道路システムを作ることに挑んでいる。2010年彼と同僚達は粘菌をスペインとポルトガルの地図の上に置いた。その地図上の大都市には食物の一片が置かれている。粘菌は触手のネットワークを広げてゆき、実際にイベリア半島に広がっている高速道路網と殆ど同じネットワークを作り出した。

「もし何処かの国がゼロから高速道路網を作ろうとしているなら、私は粘菌が作ったルートをたどる事を勧めますね。」アダマツキー博士は言う。

その名前(slime mold)に関わらず、粘菌はパンの黴(bread mold)や廃屋にはびこる黒黴(black mold)とは何の関係も無い。彼らは土中に普通に生息するアミーバから発達した異なる系統に属する生物だ。

科学者は、さまざまな種の粘菌のDNAを解析し、その発達木を構築し直した。それによれば彼らの祖先が現れたのは10億年以上前にさかのぼる。すべての粘菌が地上に生息する事から、彼らは動物や植物が到達するはるか前から地上に住んでいたパイオニアである事が示唆されている。

「彼らはこの地球生態系と同じくらい古い生物です。」スエーデンにあるウプサラ大学の進化生物学者、サンドラ・バルダウフ(Sandra Baldauf)は言う。

粘菌は20世紀中頃、プリンストン大学の生物学者、ジョン・テーラー・ボーナー(John Tyler Bonner)の研究によって脚光を浴びる。ボーナー博士はキイロタマホコリカビ(Dictyostelium discoides)と呼ばれる北アメリカ種のナメクジ形態を取る粘菌を研究した。彼は研究室で粘菌を培養し、動物の胚の単純な相似形として研究をしていた。

今日、キイロタマホコリカビを胚であると考える研究者はいない。キイロタマホコリカビはむしろアミーバが形成する社会である。全体で同じ目的を持ち、一部が全体の為に自らを犠牲にするような社会だ。

キイロタマホコリカビは飢餓に反応して数千の単位で寄り集まり、一つの塊を形成する。その塊は体を伸ばして約1ミリメーター(25分の1インチ)の長さのナメクジのような形態になる。そして光に向かって芋虫のように這い始める。

土がある所に到達すると、ナメクジは別の形態変化を始める。幾つかの細胞は堅い柄の形状になり、他の細胞がその上に乗って胞子の様なネバネバしたボール状になる。彼らはそうして動物にくっ付き、何処か住みやすい場所へ移動するのだ。

ナメクジの中では約1%が衛兵の役目をする。彼らはナメクジの中を彷徨い、感染力を持つバクテリアを探す。衛兵アミーバは病原体を見つけるとそれに食いつく。そして病原体を抱えたままナメクジから離れる。こうする事で衛兵は病原体に感染して死亡するが、ナメクジ全体は健康を保つのだ。

ナメクジが柄を形成する段階になると、他の個体を生き延びさせる為にさらに多くのアミーバが死ぬ。彼らは互いによじ登り、自分の体の中を繊維質に変形させる。キイロタマホコリカビの細胞の約20%がこれで死ぬ。命を失ったアミーバの体を、生き延びた細胞がよじ登り胞子を形成するのだ。

セントルイスにあるワシントン大学のキイロタマホコリカビ専門家で夫婦の研究者チーム、デイビッド・クイーラー(David Queller)とジョアン・ストラスマン(Joan Strassmann)は、幾つかの種類の粘菌は生まれながらにずる賢い事を発見した。他の種と交じり合うと、その種は死んでしまう柄よりも、胞子になる事が多いのだ。「これが特殊なケースで無いのは明らかだ。」クイーラー博士は言う。「こういった突然変異はいつでも起きているに違いない。」

クイーラー博士とストラスマン博士の研究は又、粘菌の世界がこういったずる賢い種で独占されてしまわない理由の一端を明らかにしている。1つの理由としてナメクジを構成する種は互いに強い関連を持っている。

「彼らは親族なのです。」ストラスマン博士は言う。柄を形成する事で個別の粘菌は死んでも、その遺伝子は近親者を通じて次の世代へと渡される。

キイロタマホコリカビが親族を助けるには、他者を見分ける能力が必要となる。ヒューストンにあるベイラー医科大学の研究者達は、粘菌が他者と近親者を見分ける方法の一端を明らかにしている。アミーバ達は自分の細胞の表面に1対のタンパク質を作り出している。その2つは互いにピッタリと整合する。研究者の1人、ガド・ショールスキー(Gad Shaulsky)によれば、両者はまるで「ジグソーパズルの断片」のように整合すると言う。

ショールスキー博士と彼の同僚が7月に行った報告によると、これらのタンパク質が結び合わなければ、アミーバ達は固まる事が出来ない。「その場合はお互いを完全に無視します。」ベイラー大学の別の生物学者アダム・カスパ(Adam Kuspa)は言う。

キイロタマホコリカビは粘菌の2大種の1つに属している。この種は細胞性粘菌類と呼ばれる。彼らが作る胞子や柄は多くの細胞で作られている為にこの名前が付けられた。

それと対称的に、非細胞性粘菌類はナメクジを作らない。その代わり2つの細胞が重なり合い、DNAを結び合わせ、新たな単細胞組織を作って成長を続ける。触手を伸ばしながら数ヤードにまで広がる事ができる。それは脈動しながら、端っこからコアとなる部分へ食物を運ぶ。そして食物を探して這いまわりさえする。

「木の上に見つけた粘菌が数時間後に戻ってみると何処かへ行ってしまってたりします。」アーカンソー州立大学の粘菌専門家、スティーブン・L・ステフェンソン(Steven L. Stephenson)は言う。

最終的に非細胞性粘菌も胞子を作る。彼らは何千何百という柄を作り、その上に乗った胞子は風に乗って飛んでゆく。

非細胞性粘菌が高速道路のパターンを作る事を観察したアダマツキー博士は、同じようにして、核災害のシミュレーションをした。彼と同僚達は、カナダの高速道路網のパターンを粘菌で作り出し、そこに海塩の結晶を置いた。海塩は粘菌を追い払う力を持っている。置いた場所は地図上のブルース原子力発電所があるオンタリオ州ヒューロン湖だ。

粘菌は塩の近くの触手を捨てて、カナダ全体にまたがる食物を効率的に繋げる新たな高速道路パターンを作り出した。「汚染の広がりに対する反応は、本当の核災害の時に何が起きるのか、若干の光を当ててくれるでしょう。」アダマツキー博士は言う。

ネットワークを構築する事は、しばしば困難な決断を粘菌に強いる。オーストラリアにあるニュー・サウス・ウェールズ大学のマデリン・ビークマン(Madeleine Beekman)と彼女の同僚達は、最近、粘菌の決断の記録を取った。モジホコリ(Physarum)を二種類の食物と共に置いたのだ。二種類の食物は、タンパク質を多く含む食物と、炭水化物を多く含む食物にした。粘菌は両方の食物へ触手を伸ばすが、成長に最も適したタンパク質と炭水化物のバランスを保つように触手の太さを調節する。

ビークマン博士と同僚達は次の実験で、モジホコリが嫌う強い光を食物にあてて、選択をより困難にしてみた。最初に科学者達は、オート・フレークを3%含む食物を暗がりに、オート・フレークを5%含む食物を明るい光の下に置いて粘菌に提供した。

粘菌は何時もの様に2つの食物へと触手を伸ばす。しかし科学者が暗がりの方をもう1%多くすると、その増分によってバランスは完全に傾いてしまう。暗がりのオート・フレークの量を減らしても、そちらへ伸びた触手は全体の約80%に達したままだった。

このような切り替えは論理的には正しくないと思えるかも知れない。しかし人間も同じような事をしている。心理学者によれば、選択を決定付ける価値は、選択されなかった物の価値に大きく影響されているのだと言う。人間も粘菌も同じように相対的な価値で判断していて、絶対的な価値を測ろうとは試みないのだ。

科学者は研究室での実験に適したモジホコリやキイロタマホコリカビについて、数多くの知識を持っている。しかし地球上に生息する他の多くの粘菌については、依然として科学者もわずかしか知らない。2003年にステフェンソン博士と数人の粘菌専門家は、この生物の世界的多様性を理解する為に、世界を又にかけた探索を開始した。

この、アーカンソー州立大学をベースとするグローバル・ユーメソトゾア・プロジェクト(Global Eumycetozoan Project)は既知の粘菌の数を倍増させた。生物学者は新たな粘菌を南極大陸や不毛な砂漠、ジャングルの高い樹木の上、あるいは家庭の庭に生えた植物の葉からさえも採取した。

「どんな場所でも探しさえすれば見つかりました。」ステフェンソン博士は言う。

粘菌はまた、膨大な数で生息している。ほんの1つまみの土にも数千の粘菌が生きている。その総合的な食欲は、彼らを生態系における強力なプレーヤーにしている。植物や動物が死んだ後、その体は微生物によって分解される。そうした多くのバクテリアを、今度は粘菌が食べ、その栄養素を解放することで他の多くの生物組織を成長させるのだ。

「もしこれら粘菌がいなければ、地球全体の生態系は極めて異なったものになってしまうでしょう。」ステフェンソン博士は言う。

科学者達は、新たな種のDNA配列を特定する事によって、ついには粘菌がどの様に発達してきたかを解明出来るようになった。例えば遺伝子研究によって、粘菌の2つの大きなグループは互いに近い親戚である事が確認されている。

別の研究によれば、粘菌は極めて古い種である事が判っている。ゲノム・リサーチ・ジャーナルに公開された記事によれば、イギリスとドイツの科学者が、細胞性粘菌類が出現したのは6億年前だと推計している。予備的な研究では、全ての現存する粘菌の共通する祖先はそれよりはるかに古い事が示唆されている。

もし粘菌が上陸したのが約10億年前であるのなら、その当時、バクテリアに薄く覆われていたに過ぎない大陸全てを、粘菌は植民地にした事であろう。「彼らは陸地における土壌の発達と緊密に結びついていたと思われます。」ユーメソトゾア・プロジェクトが発見した新種の粘菌のDNAを解析しているスエーデンの生物学者、バルダウフ博士は言う。

胞子を作ると言うような、粘菌が共有する特徴は、彼らが海岸に到達した時に発達したと考えられている。キイロタマホコリカビの先祖は、胞子を地上から持ち上げる為にナメクジや柄を形成する能力を発達させた。その方が広がる可能性が高いからだ。巨大な非細胞性粘菌類は別の戦略を採用した。自分の体を広大な領域に広げて、体の表面全てで胞子を作り出したのだ。

新たな種の粘菌を発見する事で、科学者は色々な可能性を検証できるとバルダウフ博士は言う。ステフェンソン博士や彼の同僚達が発見した全ての新種に感動しながらも、彼女はさらに多くの種が発見できると確信している。

「私はこれが氷山の一角であると考えています。」彼女は言う。「研究者達はパタゴニア山中のような途方もない場所へ出向き、わずかな土のサンプルを採集して持ち帰っています。しかし、ほんの1フィート離れた場所にだって、何も無いと誰に言えますか?」

~~ここまで~~
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英語の勉強の為に、ニュースサイトの記事を読んでいるうちに、面白さにつられて翻訳してみようと言う無謀な事を始めました。大変なので更新は一週間に一回位になると思います。どこまで続けられるか解かりませんが。

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